外国人が日本に入国し、上陸するためには、以下の要件に適合していなければなりません。
①有効な旅券(パスポート)を所持していること
②査証(VISA)を必要とする場合には、上陸目的に合致した査証を旅券に受けていること
③上陸目的に虚偽がなく、上陸目的が入管法に定められた在留資格のいずれかに該当すること
④上陸の申請にかかる在留期間が法務省令の規定に適合すること
⑤入管法に定められた上陸拒否事由に該当しないこと
⑥上陸申請時に指紋。写真等の個人識別情報を提供すること
目次
①について
旅券と認められる文書(旅券、旅行証明書等)であっても、有効期限を経過している場合には、当然ながら、有効な旅券とは認められません。
この場合には、旅券の有効期間の延長手続を行うか、新たな旅券の発給を受けなければ、上陸の条件に適合しません。
②について
査証は形式的に有効であることのほかに、上陸目的(在留目的)に合致する査証であることが要件とされております。
例えば、日本に長期に渡り法律・会計業務を行う予定の外国人が短期滞在査証(有効期間内のもの)を旅券に取り付けても、当該上陸の申請については査証を取り付けていることにはならず、上陸条件不適合となります。
③について
本来の上陸目的を隠して上陸の申請をしている場合や、虚とは現実でいないか又は実現の可能性が極めて薄いことをいいます。
例えば、観光・保養を目的として上陸の申請をしていたとしても、所持金も帰国の航空券等も持っていないような場合、真に観光・保養の目的を達成することができないため、上陸の申請は虚にあたります。
上陸目的が入管法に定められた在留資格のいずれかに該当することも確認が必要です。
この要件は、上陸目的に虚偽はないが、その上陸目的に該当する在留資格がない場合には、上陸条件に適合しないこととするものです。
例えば、単に日本に働いて収入を得たいという目的(単純労働)では、いずれの在留資格に該当しません。
④について
各在留資格には、法務省令により、それぞれ在留期間が定められていて、上陸し在留しようとする期間が法務省令に適合しない場合は、上陸条件不適合となります。
在留期間は、「外交」、「永住者」を除く在留資格に関しましては、「5年」以内と定められております。
⑤について
日本から退去強制された外国人は、「5年間」または「10年間」、出国命令により出国した外国人は1年間は、上陸を認めておりません。
⑥について
日本に上陸しようとする外国人は、上陸の審査に際し、電磁的方式によって個人識別情報を提供しなければなりません。
ただし、特別永住者、16歳未満の者、在留資格「外交」または「公用」に該当する者、国の行政機関の長が招聘した者は除かれます。
上陸申請に際し、個人情報識別の提供を義務付けられている外国人が、個人識別情報の提供を拒んだ場合、例えば、その者が上陸条件のすべてに適合していても、上陸は許可されません。
個人情報の提供を拒んだ外国人は特別審理官に引き渡されますが、口頭審理の際にも個人識別情報の提供を拒めば、日本からの退去強制が命じられます。この場合、法務大臣に異議を申し出ることはできず、上陸手続きに関し救済措置はございません。
個人識別情報を提供した場合にのみ、上陸が許可されます。