⑥家族の帯同および在留期間の上限
前述の政策方針は移民政策とは異なるものであり、外国人材の在留期間の上限を通算で5年とし、家族の胎動は基本的に認めない。ただし、新たな在留資格による滞在中に一定の試験が合格する等により高い専門性を有すると認められた者については、現行の専門的・技術的分野における在留しカウへの移行を認め、在留期間の上限を付さず、家族の帯同を認めるなどの取り扱いを可能とするための在留資格上の措置を検討する。
(2)従来の外国人材の受け入れのさらなる促進
留学生の国内での就職を促進するため、在留資格に定める活動内容の明確化や、手続き負担の軽減などにより在留資格変更の円滑化を行い、留学生の卒業後の活躍の場を広げる。また、「高度人材ポイント制」について、特別加算の対象大学の拡大等の見直しを行う。これらの前提として、日本語教育機関において充実した日本語教育が行われ、留学生が適正に在留できるような環境整備を行っていく。さらに、留学生と企業のマッチングの機会を設けるため、ハローワークの外国人雇用サービスセンター等を増設する。
また、介護の質にも配慮しつつ、相手国からの送り出し状況も踏まえ、介護の技能実習生について入国1年後の日本語要件を満たさなかった場合にも引き続き在留を可能とする仕組みや、日本語研修を要しない一定の日本語能力を有するEPA介護福祉士候補者の円滑かつ適正な受け入れを行える受け入れ人数枠を設けることについて検討を進める。このほか、クールジャパン関連産業の海外展開等を目的とする外国人材の受け入れを一層促進するための方策や、わが国における外国人材の企業等を促進し、起業家の受け入れを一層拡大するための方策について検討を進める。
(3)外国人の受け入れ環境の整備
上記の外国人材の受け入れの拡大を含め、今後もわが国に滞在する外国人が一層増加することが見込まれる中で、日本で働き、生活する外国人について、多言語での生活相談の対応や日本語教育の充実をはじめとする生活環境の整備を行うことが重要である。このため、2006年に策定された「【生活者としての外国に】に関する総合的対応策」1を根本的に見直すとともに、外国人の受け入れ環境の整備は、法務省が総合調整機能を持って司令塔的役割を果たすこととし、関係省庁、地方自治体等との連携を強化する。このような外国人受け入れ環境の整備を通じ、外国人の人権が護られると共に、外国人が円滑に共生できるような社会の実現に向けて取り組んでいく。