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登録支援機関の登録申請要件【受入れ実績】について静岡県の行政書士事務所ONE BY ONEが解説!

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目次

登録支援機関の登録申請要件【受入れ実績】を解説

2019年4月よりスタートした在留資格「特定技能」および「登録支援機関」について、当事務所には多くのお客様からのお問い合わせを頂いており、特に「登録支援機関」の登録申請業務においてかなりのノウハウが溜まってきましたので、今回は登録支援機関の登録を受けようとお考えのお客様からのお問い合わせの多い「受入れ実績」について解説していきたいと思います!(2020年1月現在の情報)

 

登録支援機関の受入れ実績とは?

登録支援機関のそもそもの目的から考察すると、以下の法令「十四」にも記載がありますが、「支援業務を的確に遂行するための必要な体制が整備されていない者」は登録支援機関の登録を受けることができません。登録支援機関は外国人を受入れる機関から委託を受けて、外国人の支援業務を行いますので、外国人を受入れ又は適正に管理した実績がなければ、外国人を雇用する受入れ機関・外国人材の双方に不利益が生じてしまいます。

そのため、「ある一定の実績がなければ登録支援機関の登録は受けることができない」と覚えておいてください!

法務省出入国在留管理局が平成31年3月に出している「特定技能外国人受け入れに関する運用要領」によると、拒否事由として以下が規定されております。

(最新情報は法務省のWEBサイトをご覧くださいませ)

 

【法第19条の26】

出入国在留管理庁長官は、第19条の23第1項の登録を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は第19条の24第1項の申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

十四 支援業務を的確に遂行するための必要な体制が整備されていない者として法務省令で定めるもの

上記は様々な登録支援機関の登録に関する拒否事由を定めており、それに該当する場合には登録を受けることができません。

その一つの拒否事由として、【受入れ実績】の有無が審査の1つとして規定されております。その受入れ実績の要件を以下に記載します。

 

施行規則第19条の21

法第19条の26条第1項第14号の法務省令で定める者は、次の各号にいずれかに該当するものとする。

三 次のいずれにも該当しない者

 登録支援機関になろうとする者が、過去2年間に法別表第1の1の表、2の表及び5の表の上欄の在留資格(収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行うことができる在留資格に限る。ハにおいて同じ。)をもって在留する中長期在留者の受入れ又は管理を適正に行った実績がある者であること

 登録支援機関になろうとする者が、過去2年間に報酬を得る目的で業として本邦に在留する外国人に関する各種の相談業務に従事した経験を有する者であること

 登録支援機関になろうとする者において選任された支援責任者及び支援担当者が、過去5年間に2年以上法別表第1の1の表、2の表及び5の表の上欄の在留資格をもって在留する中長期在留者の生活相談業務に従事した一定の経験を有する者であること

 イからハまでに掲げるもののほか、登録支援機関になろうとする者が、これらの者と同程度に支援業務を適正に実施することができる者として出入国在留管理庁長官が認めるものであること

 

超重要!ここから上記イ~ハ(登録支援機関の登録要件である受入れ実績)を深堀り!

行政書士 佐野
行政書士 佐野
上記条文は抽象的過ぎて、初めて見た方にはいまいち理解できない部分があるかと思いますので、それぞれ細分化して深堀しながら説明します!

 

まずは「イ」について

これは「会社」自体に外国人材を受入れた実績があるか否かが問われます。

具体的には以下が求められます。

  1. 過去2年間の間に
  2. 就労ビザ(後述:2.受入れ実績となる対象の外国人(中長期在留者)の在留資格は?)で在留している中長期在留外国人を
  3. 受入れ又は適正に管理を行った実績

 

具体例として以下の場合は要件を満たすことができます。

・登録支援機関を受けようとしている会社が、現在「技術・人文知識・国際業務」として中長期在留外国人を雇用している場合

(ただし、上記の雇用している外国人が支援業務の「言語対応」を行う場合には、在留資格の職務内容にご注意ください)

・登録支援機関を受けようとしている会社が、技能実習の管理団体であり、適正に技能実習生を管理している場合

(ただし、過去1年以内に自らの責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させている場合には登録を受けることはできません)

次に「ロ」について

こちらは「仕事」として外国人の相談業務に従事した経験が問われます。

具体例として、士業として在留資格申請の業務に従事していた場合や、技能実習生に対する日本語教育サポート等を外部委託契約で請け負っていた企業としての実績等が挙げられます。

次に「ハ」について

次に「ハ」について

こちらは「個人」としての実績がある方が、支援責任者及び支援担当者(兼任可)になる場合に要件をクリアできます。

具体例として、「イ」または「ハ」の企業に所属し、過去5年以内に2年以上、就労ビザで在留している中長期在留者に対する生活相談業務に従事していた経験を有している場合が挙げられます。

なお、「生活相談業務」とは、中長期在留者の生活に関する相談業務一般をいい、相談内容や件数を限定するものではありません。ただし、業務として行われたことが必要であることから、いわゆるボランティアとして行った生活相談については、実績に含まれません。

また、後ほど後述しますが、就労ビザで在留している外国人に対して生活相談業務を行う必要があるため、日本語学校等に勤務していた方が留学生に対する生活相談業務を行っていたとしても、要件を満たすことはできません。

日系人(在留資格:定住者)の方が、日系人に対する生活相談業務を行っていたとしても同じく要件を満たすことができませんので注意が必要です。

最後に「二」について

こちらは、これまで日本人労働者等を適正かつ適切に雇用してきた実績のある機関と同程度に、責任をもって適切に支援を行うことが見込まれるものをいいます。したがって、労働関係法令を遵守していることが求められることから、労働基準監督署から是正勧告を受けていないこと等が必要です。なお、想定される機関として、例えば以下のものが挙げられますが、事前に出入国在留管理局への事前相談は必須とお考え下さい。

  • 業界団体(全国規模で各地に下部組織を有するもの)
  • 独立行政法人
  • 特殊法人、認可法人
  • 日本の国、地方公共団体認可の公益法人
  • 特定非営利法人
  • 法人税法別表第1に掲げる公益法人
  • 日本の証券取引所に上場している企業
  • 保険業を営む相互会社
  • 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収額が1500万円以上ある団体・個人

 

受入れ実績となる対象の外国人(中長期在留者)の在留資格は?

以下に該当する在留資格を列挙いたします。以下に記載のある在留資格をもって在留している外国人を受入れ又は適正に管理した経験が必要となります。
  • 外交
  • 公用
  • 教授
  • 芸術
  • 宗教
  • 報道
  • 経営管理
  • 法律・会計業務
  • 医療
  • 研究
  • 教育
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 企業内転筋
  • 興行
  • 技能
  • 技能実習
  • 特定活動(法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動のため事前に出入国在留管理局に相談が必要です)

 

以下の在留資格で受入れ又は適正に管理していたとしても、受入れ実績とは認められませんので注意が必要です。
  • 文化活動
  • 短期滞在
  • 留学
  • 研修
  • 家族滞在
  • 特定活動(難民申請中)
  • 永住者
  • 日本人の配偶者等
  • 永住者の配偶者等
  • 定住者

 

受入れ実績を証明する資料は?

受入れ実績を証明する状況によって、必要書類が異なりますので以下の表を参考にしていただければと思います。単純な話ですが、「イ」は既に現状雇用しているまたは雇用していた状況ですので比較的証明が簡単だと思います。

そのため、下に行けば行くほど証明の難易度が高まります(イ ≪ ロ ≪ ハ ≪ ニ )

以下の表は一般的な必要書類となります。あくまで参考程度にして頂き、社内の重要な判断を行う場合には必ず出入国在留管理局へお問い合わせください。

対象 要件 必要書類
法人 過去2年間に就労ビザで受入れ又は管理した実績 ・所属している外国人材の在留カードのコピー

・外国人の従業員リスト

法人・個人 過去2年間に報酬を得る目的で、就労ビザで在留する外国人に対する相談業務に従事した経験 ・従事期間を証明できる書類

・相談業務を行った外国人(就労ビザ)の氏名、国籍、人数、企業名、所在地

・相談業務の内容が分かる詳細な説明及び資料

個人 過去5年以内に2年以上、就労ビザで在留する外国人に対する生活相談業務に従事した経験 ・従事期間を証明できる書類

・生活相談業務を行った外国人(就労ビザ)の氏名、国籍、人数、企業名、所在地

・生活相談業務の内容が分かる詳細な説明及び資料

・委託契約で生活相談業務に従事していた場合は委託契約書の写し、会社パンフレット

法人・個人 上記と同程度に支援業務を適正に実施することが出来るものとして出入国在留管理庁長官が認めた者 出入国在留管理局が指定する資料(要相談)

 

支援責任者・支援責任者の注意点

登録支援機関の登録を受ける場合には、「役員」または「職員」の中から「支援責任者」及び支援業務を行う事務所ごとに1名上の「支援担当者」を選任しなければなりません。また、支援責任者が支援担当者を兼ねることはできますが、その場合、支援担当者として支援業務を行う事務所に所属していなければなりません。

前提として、支援責任者および支援担当者は上記イ~ハに該当する実績を有している者でなければなりませんので注意が必要です。

支援責任者および支援担当者の選任について以下のケースを参考にして頂ければと思います。

ケース1

このようなケースであれば、支援責任者および支援担当者の選任要件は満たされます。

登録支援機関の支援責任者・支援担当者について、静岡のA.C.C.行政書士事務所が解説

 

 

ケース2

会社の一部支店において支援業務を行わないことも可能です。その場合、C支店において支援担当者を選任する必要はございません。

登録支援機関の支援責任者・支援担当者について、静岡のA.C.C.行政書士事務所が解説

 

 

ケース3

必ずしも本社が支援業務を行わなければならない訳ではなく、支店のみで支援業務を行うことも可能です。

下記のケースだと、A支店の「役員」が支援責任者及び支援担当者となっておりますが、もちろん「役員」でなくて「職員「」が支援責任者及び担当者であっても問題ありませんし、支援担当者のみ「職員」であっても構いません。

登録支援機関の支援責任者・支援担当者について静岡のA.C.C.行政書士事務所が解説

 

 

ケース4

以下のケースでも選任要件をクリアすることができます。

登録支援機関の支援責任者・支援担当者について静岡のA.C.C.行政書士事務所が解説

 

 

ケース5 注意!

こちらのケースは選任要件を満たすことができませんので注意が必要です。

理由としては、指揮命令権があるものが責任者にならなければならず、社内での「役職の低い方」が「役職の高い方」に指揮命令を行うことは現実的ではなく、「支援業務を的確に遂行するための必要な体制が整備されていない」と判断され、登録支援機関となることはできません。こちらは法務省が発表している取扱要領には載っていない情報であり、当社が過去に出入国在留管理局庁から直接指摘を受けた経験・内容を記事を掲載しております。

登録支援機関の支援責任者・支援担当者について静岡のA.C.C.行政書士事務所が解説

 

 

支援責任者及び支援担当者は「雇用(入社)予定」でも可能?

こちらは多くのお客様から寄せられるご質問内容ですが、登録支援機関の登録を受けるにあたって、支援責任者及び支援担当者を「登録申請時点」で選任していなければなりませんので、「雇用(入社)予定」では要件を満たしません。そのため、登録支援機関の登録申請の時点で支援責任者及び支援担当者を現在「雇用(入社)している状態」でなければ、登録申請自体が受け付けられませんので注意が必要です。

 

登録支援機関の登録申請の料金体系について

こちらのページをご覧くださいませ。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

上記の内容は当事務所が2019年4月から多くの企業様の登録支援機関の登録申請業務に携わっているからこそ得たノウハウです。

2020年1月時点において、まだまだ在留資格「特定技能」は進んでいない状態ではありますが、今後加速していくことは容易に考えられます。

登録支援機関の登録申請をお考えてあれば、静岡県の行政書士事務所にご相談いただければと思います。

 

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執筆者

行政書士 佐野哲郎

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