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「造船・舶用工業分野」における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針を静岡県の行政書士が解説

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「経済財政運営と改革の基本方針2018」(平成30年6月15日閣議決定)を踏まえ、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号。以下「法」という。)第2条の4第1項の規定に基づき、法第2条の3第1項の規定に基づき定められた「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針」(以下「基本方針」という。)にのっとって、造船・舶用工業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(以下「運用方針」という。)を定める。

 

目次

1 人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野(特定産業分野)

造船・舶用工業分野

 

2 特定産業分野における人材の不足の状況(当該産業上の分野において人材が不足している地域の状況を含む。)に関する事項

(1)特定技能外国人受入れの趣旨・目的

造船・舶用工業分野において深刻化する人手不足に対応するため、専門性・技能を生かした業務に即戦力として従事する外国人を受け入れることで、本分野の存続・発展を図り、もって我が国の経済・社会基盤の持続可能性を維持する。

(2)生産性向上や国内人材確保のための取組等

(生産性向上のための取組)

生産性向上のための取組については、「海事生産性革命(i-Shipping)」の取組により、船舶の開発・設計、建造から運航に至る全てのフェーズにICTの導入を進めること等により、生産性の向上に取り組んでいる。平成28 年度及び平成29 年度に、造船現場における生産性を向上させる革新的な技術開発の支援事業として、18 事業の採択を行った。今後、引き続き造船業全体の生産性を向上させるための支援を行うとともに、開発した技術の普及に向けた取組を進めることにより、生産性向上の取組を進めていく。

(国内人材確保のための取組)

国内人材確保のための取組については、造船工学の教材の作成や造船に係る若手教員の専門指導力向上のための研修プログラムの開発等による若手の造船業への進出・定着や女性が働きやすい現場環境の改善に取り組んでいる。さらに、多様な勤務形態の確保を通じた積極的な高齢者の雇用等に取り組んでいる。

(3)受入れの必要性(人手不足の状況を判断するための客観的指標を含む。)

造船・舶用工業は、裾野の広い労働集約型産業として、国内に生産拠点を維持し、その殆どが地方圏に存在している。特に瀬戸内や九州には、造船・舶用工業が主要産業として経済、雇用において中核的な役割を担っている地域が多数存在している。地域に立地する造船・舶用工業にあっては、少子高齢化・生産年齢人口減少が急激に進んでいることに加えて、若者の地方から都市部への流出により、日本人の若手就労者の確保に苦労している状況である。足元の人手不足の状況については、造船・舶用工業分野における主な職種の平成29 年度の有効求人倍率は、溶接(金属溶接・溶断工)2.50 倍、塗装(塗装工)4.30倍、鉄工(鉄工、製缶工)4.21 倍、仕上げ(めっき工、金属研磨工)4.41 倍、機械加工(数値制御金属工作機械工)3.45 倍、電気機器組立て(電気工事作業員)2.89
倍となっているなど深刻な人手不足状況にあり、現時点で6,400 人程度の人手不足が生じていると推計している。制度開始5年後(平成35 年度)の人手不足見込みについては、交通政策審議会の答申に掲げられた我が国造船・舶用工業の目標「2025 年の世界の新造船建造量のシェア3割を獲得」を達成するために必要となる労働等から算定し、2万2,000 人程度の人手不足が生じると推計している。造船・舶用工業は、四面を海に囲まれた我が国にとって不可欠な海上輸送に要する船舶を安定的に供給し、また、裾野が広い労働集約型産業として地域の経済・雇用にも貢献している非常に重要な産業である。造船・舶用工業の持続的な発展を図るためには、造船・舶用工業について一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることが、造船・舶用工業の基盤を維持し、今後も発展させていくために必要不可欠である。

(4)受入れ見込数

造船・舶用工業分野における1号特定技能外国人の向こう5年間の受入れ見込数は、最大1万3,000 人であり、これを向こう5年間の受入れの上限として運用する。向こう5年間で2万2,000 人程度の人手不足が見込まれる中、今般の受入れは、毎年1%程度(5年間で7,000 人程度)の生産性向上及び追加的な国内人材の確保(5年間で3,000 人程度)を行ってもなお不足すると見込まれる数を上限として受け入れるものであり、過大な受入れ数とはなっていない。

 

3 特定産業分野において求められる人材の基準に関する事項

造船・舶用工業分野において特定技能の在留資格で受け入れる外国人は、以下に定める試験に合格した者(2号特定技能外国人については、実務経験の要件も満たす者)とする。また、特定技能1号の在留資格については、造船・舶用工業分野に関する第2号技能実習を修了した者は、必要な技能水準及び日本語能力水準を満たしているものとして取り扱う。

(1)1号特定技能外国人

ア.技能水準(試験区分)

別表a.試験区分(3(1)関係)の欄に掲げる試験

イ.日本語能力水準

「日本語能力判定テスト(仮称)」又は「日本語能力試験(N4以上)」

 

(2)2号特定技能外国人

技能水準(試験区分及び実務経験)

ア.試験区分

「造船・舶用工業分野特定技能2号試験(仮称)(溶接)」

イ.実務経験

複数の作業員を指揮・命令・管理する監督者としての実務経験を要件とする。

 

4 法第7条の2第3項及び第4項(これらの規定を同条第5項において準用する場合を含む。)の規定による同条第1項に規定する在留資格認定証明書の交付の停止の措置又は交付の再開の措置に関する事項

(1)国土交通大臣は、有効求人倍率等の公的統計等の客観的指標等を踏まえ、人手不足の状況の変化に応じて運用方針の見直しの検討・発議等の所要の対応を行うとともに、上記2(4)に掲げた向こう5年間の受入れ見込数を超えることが見込まれる場合には、法務大臣に対し、受入れの停止の措置を求める。
(2)受入れの停止の措置を講じた場合において、当該受入れ分野において再び人材の確保を図る必要性が生じた場合には、国土交通大臣は、法務大臣に対し、受入れの再開の措置を求める。

 

5 その他特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する重要事項

(1)特定技能外国人が従事する業務

特定技能外国人が従事する業務区分は、上記3(1)ア及び(2)アに定める試験区分に対応し、それぞれ以下のとおりとする。

ア.試験区分3(1)ア関係(1号特定技能外国人)

別表b.業務区分(5(1)関係)の欄に掲げる業務とする。

イ.試験区分3(2)ア関係(2号特定技能外国人)

溶接(手溶接、半自動溶接)

 

(2)特定技能所属機関に対して特に課す条件

ア.特定技能所属機関は、国土交通省が設置する「造船・舶用工業分野特定技能協議会(仮称)」(以下「協議会」という。)の構成員になること。
イ.特定技能所属機関は、協議会に対し、必要な協力を行うこと。
ウ.特定技能所属機関は、国土交通省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと。
エ.特定技能所属機関は、登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託するに当たっては、上記ア、イ及びウの条件を全て満たす登録支援機関に委託
すること。

(3)特定技能外国人の雇用形態

直接雇用に限る。

 

(4)治安への影響を踏まえて講じる措置

国土交通省は、基本方針を踏まえつつ、所掌事務を通じて治安上の問題となり得る事項を把握するために必要な措置を講じるとともに、把握した事項について制度関係機関と適切に共有する。また、深刻な治安上の影響が生じるおそれがあると認める場合には、基本方針を踏まえつつ、国土交通省及び制度関係機関において、共同して所要の検討を行い、運用方針の変更を含め、必要な措置を講じる。

(5)特定技能外国人が大都市圏その他の特定の地域に過度に集中して就労することとならないようにするために必要な措置

国土交通省は、地方における人手不足の状況について、地域別の有効求人倍率等による定期的な把握を行い、必要な措置を講じることによって、各地域の事業者が必要な特定技能外国人を受け入れられるよう図っていく。また、自治体における一元的な相談窓口の設置、ハローワークによる地域の就職支援等を着実に進める等の業種横断的な措置・方策に加え、国土交通省は協議会等と連携し、業界内において取組の地域差が生じないよう、本制度の趣旨をはじめ、本制度に係る情報や優良事例を全国的に周知することにより、外国人が特定の地域に過度に集中して就労することとならないよう配慮する。

 

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執筆者

行政書士 佐野哲郎

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